医療法人仁学会 里村クリニック院長の里村仁志です。
当院は、開業以来30数年、地域の医療の核として急性疾患のプライマリーケア、慢性疾患の管理や自治体健診などの外来と、近隣病院、施設との連携による介護、在宅医療を担ってまいりました。
前院長である父:里村立志から、2021年に院長を継承し、自身の消化器外科医としての経験を活かし日々の診療に取り組んでいます。
幼少期よりここ東浦和の地で育ったため、地域の皆様に感謝の志を持ち、治療や生活指導、検診を通して皆さまの暮らしを豊かにし、人生、地域に貢献していければと存じます。
里村クリニックを継承するにあたって、理念を掲げました。
この理念のもとに仲間が集まり、2021年には10人に満たなかった職員も、2023年には児童福祉事業も展開し、2024年には70名を超える法人になりました。
職員一人ひとりがこの理念に向き合い、地域の皆様に愛される組織となれますよう、日々尽力しています。
2023年に開業した「フォレストキッズさとむら東浦和教室」は、0~6歳の発達に困りごとのある児童への、療育支援を行い事業所です。私たちが児童発達支援事業に乗り出したのは、福祉領域でも当法人で地域貢献ができるのではないかとの思いからでした。
当法人の特徴とも言える<理念>の中に、「困ったときはいつでもそばに」「その時の最善を選択する」という言葉があります。
いくつかの事業を検討する中で、発達障害を持つお子様への療育を行う、児童発達支援事業所が非常に足りないことがわかりました。
私にも 特別支援学校に通学する娘が一人います。心配や不安、希望や葛藤など様々な気持ちが入り混じったことを思い出します。
「小学校の入学前に少しでも子供のためになることはしてあげたい。」
というご両親の気持ちが充分に理解できます。
その経緯から、以前より子供の発達障害に対しては関心があり、子供たちに対して支援をするという志がありました。
また、すでに開所されている何名ものオーナー様からも「保護者様から涙ながらに感謝された」というお言葉を聞くことがありました。
子どもの発達障害に対して、同じ志をもつフォレストキッズと提携し、障害に対して理解のある素晴らしいスタッフ達とともに支援を行っていきます。
私自身が「こういう施設が欲しかった。うちの近くにフォレストキッズがあれば通わせてみたかった。」 と自信をもって紹介できます。
1人でも、多くのお子様、不安を抱えるご両親に貢献できる笑顔あふれる場所になりますように。
ビジョンにある「埼玉を代表する地域のかかりつけクリニックとなる」ために、今後も尽力します。
里村クリニックは、内科・消化器内科として、地域のかかりつけクリニックを目指しますが、ミッションである「内視鏡を通して胃がん大腸かんの早期発見を行い死亡数ゼロを目指す」に関しては、施設上難しいと考えています。
理由は2つあげられます。
1つは、大腸がんについて。
保険診療による大腸内視鏡検査の数は、年々増えていますが、それに比例せずに大腸がんによる死亡者数は年々増加しています。
【出典】国立がん研究センター がん種別統計情報
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/index.html
つまり、保険診療での大腸カメラ検査をいくら行っても、理念である死亡ゼロには向かっていないことがわかります。
もう1つは胃カメラ検査ですが、消化器内科の数が増えたことにより、胃カメラの施行数は年々増えているものの、さいたま市においてもがん検診を受診できる方が実施していない方が多くいることがわかります。
【参考資料】さいたま市HP がん検診受信状況
https://www.city.saitama.lg.jp/008/016/001/018/p006970.html
上記2点により、保険診療ではない健診等による内視鏡検査や、がん検診の受診率の向上などが、がん死亡者ゼロのために必要と考えています。
特に、消化器がんは症状がでないまま進行するため、「症状がないから、胃カメラが怖いから、健診を受けない」という方が多くいらっしゃいます。
私はもともと消化器を専門とする外科医でしたから、こういった健診を受けてこなかった方々の「なんで健診を受けなかったんだろう」という言葉を何度も耳にしてきました。
せめて里村クリニックの手の届く範囲では、胃がん・大腸がんの死亡者をゼロに向かうため、症状が出る前の健診をおすすめしています。もちろん症状が出てしまった方にも早急に検査を行う準備を整えています。
しかしながら、里村クリニックだけでは、この「健診を受けていない人達全員」に健診を受けていただく環境を用意することが難しいと考えました。
新たに、武蔵浦和駅徒歩1分圏内にクリニックを出すことにしました。
理由は、内視鏡を実施するためのハードルを取り除くためです。
1)内視鏡への恐怖の除去
怖いという気持ちが解決できるよう、眠ったまま内視鏡が受けられる環境を作ります。そのためには、眠ったままのストレッチャーの移動や、安全に下剤を飲めるスペース、完全個室の待機スペースなど、恐怖を取り除けるよう最大限配慮しました。
2)実施できる件数の問題
さいたま市南区のみで考えても、年間2万人の方が、胃がん健診(胃カメラ)の対象となっているのに、受けていません。
しかしながら、里村クリニックでは到底この2万人に対し実施することは不可能です。もちろん1院で実施する必要はないのですが、「地域を代表する」を目指す以上、十分な実施件数が必要と考えました。
3)交通機関の問題
内視鏡検査のための麻酔は、検査が終わった後も継続的に眠りを誘発するため、自動車の運転ができません。里村クリニックは、閑静な住宅街にあり、遠方から自家用車以外の方法での来院が容易とはいえません。また内視鏡検査を受けたあとの移動手段も限られてきます。
最寄りの東浦和駅でさえ、徒歩15分以上の道のりがあり、バス停も近くても徒歩3分程度はかかりますし、本数も十分とは言えません。武蔵野線、埼京線の交差する武蔵浦和駅は、内視鏡特化型医院の開始にはBESTな位置と言えます。
理念に沿っての経営を行っていくために、武蔵浦和院の開業を決定しました。
児童発達支援事業・放課後等デイサービス事業に関しても、ニーズがあると判断できれば拡大していきたいと考えています。
クリニックを継承する際に考えた理念「一人ひとりを大切にし医療を通して地域に安心と健康を届け埼玉から日本を元気にする」は、そのまま、発達に困りごとのある児童とその保護者に対しての思いへとつながりました。一人ひとりを大切にしたいと考えています。
児童の状態をアセスメントを行い確認し、支援計画を立てて療育を行い、児童と保護者が笑顔になる様子は、まさに地域に安心と健康を届けることができていると確信があります。
今後も、ニーズを確認しながら、ひとりでも多くの困りごとのある児童に対し、希望にこたえられるような発達支援事業を展開していきたいと考えています。
「権限移譲」とは、「意思決定の行動や自由を与えること」を指します。そしてその行動に対して「責任」を発生させて、「説明責任」を負わせることを指します。
当法人は、権限移譲をしっかりと行っています。
その為には、ビジョンを言語化し、共有する必要があります。
その共有されたビジョンを達成するためには、数値化された目標と共有が必要です。
医療や福祉の現場においては、個人的な数値目標は設定しにくいのですが、それでもあいまいな目標、例えば「山に登ります」とかでは、その意味も、内容も、達成した後になにがあるのかも共有されません。
しっかりと言語化され共有されたビジョンは、権限移譲を促進し、「働きがい」に直結します。
例えば、さとクリマルシェ(https://www.instagram.com/satomura_marche/)は、最初に私が「やりたい」こそ言ったものの、調査・企画・準備・実行なども、すべて職員が行っています。理念に基づいたとても楽しいイベントに育ちました。
同じように、フォレストキッズさとむら(https://forestkids-satomura.jp/)に関しても、権限移譲をしていなければ、形になることはなかったでしょう。これらの多くの場面でも、裁量権を与えた職員のみで実施されています。
武蔵浦和院の展開に関しても、重要なところには参加しますが、エンパワーメントされた職員の手で、多くのことが進んでいくので、私はしっかりと診療に専念することができています。
もちろんスタートは主たる業務をがんばっていただきたい。でも、日常業務がしっかりと身についたら、「次のなにか」へのアンテナを立てておいていただきたいのです。それがあなたのやりがいになって、一生をかけても実行したいことになるかもしれません。
そんなときに、私は応援したいのです。
権限移譲ができているということは、つまり決断が速いことを指します。
当院には「図書委員」があります。これは職員から「受付にある本を入れ替えてはどうか?」という話から始まっています。本が好きな職員が、毎月の予算の中で、患者様に読んでほしい本を選んで買うということが業務として行われています。
これらを「稟議制」などにしてしまうと、職員が「やってみようかな」と思う気持ちよりも「めんどくさい・・・」と思う気持ちが勝ってしまいます。また私自身も稟議を受けても内容が精査できないでしょう。だったら職員を信じて「月いくらを予算としてやっていいよ」と任せています。
そうすることで、早期に決断し実行できる環境を作っています。
もちろん、図書委員も大好きな本を毎月選んで、患者様が手に取る様子などをみるとちょっと心がほっこりしたりしているのではないかと思います。
「雑誌を選んで買う」という小さなことも、積み上げて信頼を得れば、その先には大きなことをお任せできるようにあります。まさに、SNSの内製化・マルシェ・フォレストキッズさとむらがその成功事例と言えます。
あなたの「やりたい」を実現する環境があります。
ビッグファミリー経営は、会社を「大家族」と捉えて、社員を家族のように扱いながら経営を行うスタイルを指します。
上下関係を感じさせないフラットな対話で、温かいコミュニケーションが特徴的です。私自身が「みんなで~~する」ということが大好きなので、仁学会を第二の家族と思っていただけたら嬉しく思います。
家族参加OKのイベントも年に何回もあります。非日常体験を職員みんなで共有することを目的としています。例えば、屋形船にみんなで乗ってみたり、埼玉スタジアム2〇〇2のVIPルームに行ったり、リッツカールトン初代社長の話を聞いたり、畑を借りてサツマイモを掘ってBBQをしてみたり、納涼会で流しそうめんとスイカ割りをしてみたり、日常ではなかなか経験できないこと、自分ではやらないだろうなと思うようなことなど、楽しい思い出作りを今後も続けていきたいと思います。
また、仕事で困ったことだけでなく、プライベートなことも相談できる場となればいいなと思っています。
事務長が採用面接のときに「死ぬまで働ける職場にする」と言っているので、さまざななライフサイクルの中でずっとかかわっていけるような職場として、ビッグファミリーを意識してくれているのがうれしく思います。
必要以上に厳しいルールを設けずに、職員自らの自主性や柔軟性を重視して、相互補助の精神で仲良く楽しくやっていきたいと思います。
私の心の中には、地元の誇りである浦和レッズへの熱い思いがあります。地域と深く関わり、熱狂的なサポーターの声援を背に受けて戦う彼らの姿に、私はいつも胸を躍らせ、憧れを抱いています。スタジアムに足を運ぶたび、その空気に触れただけで元気をもらい、素晴らしいプレーや勝利の瞬間には心から歓喜し、時には厳しい声を送りながらも彼らを支え続けるサポーター。
そんな浦和レッズの姿は、私の目指すクリニックの在り方です。 クリニックはスタジアムであり、私たちスタッフが選手。 やはり、チームプレーこそが真の力を生むと信じています。もちろん、表に出なくても裏で仲間を支える選手も含めて里クリチームです。
地域と一体となって、クリニックを目指すすべての人々に元気や感動を届けられるような組織を築く。 それが、私の目指す未来です。 浦和レッズがサポーターに喜びやエネルギーをあたるように、私たちも地域に愛され、支えられる存在でありたい。 そして、私たちのチームで作る「クリニック界の浦和レッズ」を、これからも追い求めていきます。
三方よしとは、近江商人が重んじてきた価値観で、商売を長く続けるには「売り手よし・買い手よし・世間よし」の3つの調和を意味します。
理念にある「関わる人全てに物心ともに満たされた幸せを提供する」はまさにこの三方よしを指しています。
医療者として「患者ファースト」といいたいところですが、患者ファーストを優先しすぎて、職員は毎日いつ終わるかわからない残業の日々では長期的な経営は望めません。会社や職員にも、患者様にも、地域社会にも、すべてに〇(まる)がつくような経営を目指しています。
そのため、人事評価制度や給与テーブルなど、透明性のある制度を採り入れてまいります。また、働くお母さんの多いクリニックでは、帰宅時間が読めないストレスは大きいと思いますので、退勤時間に帰れるように予約を設定しています。
これらの事業を通して、地域に貢献できることを追求してまいります。
ぜひこういった思いをお読みいただき、「共感できる」と思われた方は、募集要項をお読みいただきエントリーをお願いいたします。
医療法人仁学会 理事長 里村仁志